最近よく耳にする脳トレのためのピアノというものがあります。お子さんでしたら「知育」大人の方でしたら「いつまでも若々しい脳」で、という感じだと思います。
ピアノを弾くためには、視覚・聴覚・実際に五指を動かす運動感覚など、たくさんの脳機能を使いますので、とても良い刺激になりますし、脳の発達を促す良い取り組みだと思います。
ただ、余りにもその「機能的」なことに偏りすぎてしまうのはもったいないな、とも思っています。
音楽は非言語によるコミュニケーションツールです。
どんなジャンルの音楽でも良いのですが、この曲を聴くと元気がでる・この曲は何となく切なくなる・この曲を聴くとあの日のあんな出来事を思い出す。という具合に多様な感受をもたらしてくれます。
想像力というものは、その時にパッと思いつくことではなく、経験や知識の蓄積で、学習の賜物なのです。
たくさんの経験が豊かな想像力につながります。
ピアノを弾くときに、その曲に対して、どんなイマジネーションを持つのかを考えてみる、ということを意識的にするだけでも、演奏がガラッと変わることがあります。
ミスなくテクニカルなことだけに集中してしまうと、そのことだけに追われて自分の「気持ち」を忘れてしまいます。
教室の中に、とてもイマジネーション力が高い生徒さんがいます。
先日も次はこの新しい曲をやりましょうと、私が弾いてみました。
いつもそうなのですが、私が弾いているとその横で聴きながら
「ここは広い草原みたい」とか「朝焼けの様子」とか「深い海の中」など、いろんな言葉を発してくれます。
その生徒さんに「まだ練習が上手くいっていなくて、弾けない時には機械的な白黒の世界なんです」と言われた時には
「なるほど!私もそんな感じだ!」と、自分でも気づけていなかった感覚を教えてもらったようで、感心してしまいました。
自分の心の声や、上手く言葉にできない気持ちを、音楽にのせることが出来たらとっても素敵なことだなと思っています✨


